長野日報
諏訪邦楽子ども教室(中島昌之代表)が、27日から11月まで6回にわたって開く2015年度文化庁伝統文化親子教室事業「邦楽『琴』子ども教室」(諏訪市教育委員会共催)を募集したところ、定員15人に対し、諏訪地方から6倍を超える94人(子ども60人、大人34人)の申し込みがあった。「予想以上」の盛況ぶりに急きょ会場を変更して応募者全員を受け入れることにした。

 教室は琴を通して感性を磨き情操を豊かにすることを目的に、実技、歴史などを学ぶ。応募者のうち小学生は50人、中学生は10人で全学年にわたっている。市町村別では茅野市24人、諏訪市21人、岡谷市11人、下諏訪町4人。3グループに分けて行う。

 諏訪市豊田小学校多目的室を会場に毎月1回開き、最終の11月28日には成果を発表する。希望者は8月2日諏訪三曲主催の「子どもの集い」、11月1日の同市文化祭に参加する。

 講師は三曲協会指導者の勝田雅楽澄(うたすみ)さん、藤森通子さん、新村雅久躬(まさくみ)さんら6人。まず琴に触れて音を出すことから始め、練習曲「糸車」に取り組む。楽器の特徴や歴史などの座学を交え、「桜」「荒城の月」などにも挑戦する。

 中島代表によると、申し込みは短期間で定員となり、その後も「何とかならないか」という声が相次ぎ、関係者の理解で急きょ受け入れ枠を広げたという。

 受講日は当初の1日1回から3回に増やし、会場をカルチャーホームすわから移した。琴も予定の2倍余の33面、象牙の爪は94組を用意している。

 「予想以上の人たちが興味を持っていることを改めて知り、驚いた。うれしくありがたいことなので、出来る限り対応させてもらう」と話し、琴の張りを調節、張り変えなどの準備を進めている。