詩吟、和楽器とロックを融合させ、海外人気も高い新感覚のロックバンド・和楽器バンドが演奏する「千本桜」ミュージックビデオ(MV)のYouTube再生回数が15日、2000万回を突破した。昨年1月31日の投稿から1年3ヶ月での達成となった。
投稿元のエイベックス・ミュージック・クリエイティヴによると「他の人気アーティストと比べ、海外からのアクセスがダントツで多いのが特徴」と説明。「通常のMVは全再生数の10%程度ですが、和楽器バンドは40%」と突出している。さらに圧倒的なのは13万を超す高評価の数で、これは同社がこれまでに投稿したMVの「最高値」という。

 海外人気を裏付けるものとして、昨年7月にフランス・パリで開催された『JAPAN EXPO』では、サイン会で4000人以上の長蛇の列ができる人気ぶり。今月9・10日に台湾・台北で行われた単独初の海外公演は、2日間で2400枚のチケットが3分で完売した。

 詩吟の師範・鈴華ゆう子がボーカルを務める和楽器バンドは、いぶくろ聖志(箏)、神永大輔(尺八)、蜷川べに(津軽三味線)、黒流(和太鼓)、町屋(G)、亜沙(B)、山葵(Dr)からなる男女8人組。昨年1月31日、音声合成ソフト初音ミクが歌う人気ボカロ曲をカバーした「千本桜」のMVをYouTubeに投稿し、同年4月に同曲も収録された1stアルバム『ボカロ三昧』でメジャーデビューした。

 「千本桜」MVは、投稿から8ヶ月半の昨年10月12日に1000万再生を突破。今年1月にはYahoo!トピックスで取り上げられて注目を浴び、4月3日放送のテレビ朝日ミュージックステーション3時間SP』出演で一気に再生数を伸ばし、1000万再生到達より早いペースで2000万回を突破した。

MVの撮影地である福島県いわき市の「勿来の関公園」は、ファンの間では“聖地”と化し、休日には多くのファンが聖地巡礼に訪れる。同施設ではメンバーが撮影時ステージとして使用した寝殿の吹風殿、ボーカル鈴華の歌唱シーンが撮影された回廊、日本庭園等が見学できる。