才能ある邦楽演奏家の発掘・育成を目指す第19回くまもと全国邦楽コンクールが12日、熊本市の市民会館崇城大ホールであった。最優秀賞・文部科学大臣賞に箏の前川智世さん(27)=栃木=が選ばれた。熊本市、県文化協会、熊本日日新聞社でつくる実行委主催。

 箏曲、尺八・笛、琵琶楽、三味線、合奏の5部門に52組の応募があり、予選を突破した個人26人と合奏1組が本選に出場。5分以内の自由曲を演奏し、邦楽研究家で日本琵琶楽協会長の山岡知博さんら6人が審査した。

 前川さんは初めての本選出場で、「思ったよりも落ち着いて演奏できた。本当に光栄です」と受賞の喜びを語った。

 コンクール終了後の記念公演では、同コンクール受賞者の和楽器ユニット「URANUS(ウラナス)」がゲストで出演、演奏を披露した。

 同コンクールは熊本市出身で地歌三絃の名人、長谷幸輝大検校を顕彰して1993年に始まった。(吉田紳一)

 その他の入賞者は次の通り。(敬称略)

 ▽優秀賞 中村仁樹(尺八・笛、東京)澤村祐司(箏曲、同)李權紘(尺八・笛、台湾)▽奨励賞 櫻井亜木子(琵琶楽、東京)高橋直也(箏曲、同)植野由美子(同、和歌山)中島裕康(同、茨城)