歌舞伎俳優の坂東玉三郎=写真右が、沖縄の芥川賞作家、大城立裕たつひろ=同左が書き下ろした新作組踊くみおどり
聞得大君ちふぃじん誕生」に主演する。

 東京・三宅坂国立劇場で3月8〜10日に上演される。玉三郎は、「歌舞伎と異なる様式を持った芸能の組踊に若い世代と共に挑み、未来につなげたい」と抱負を語る。

 組踊は、琉球王国の時代から伝わる沖縄の古典芸能で、国立劇場おきなわ沖縄県浦添市)が後進を育成する。大城の新作は、琉球国王の妹、音智殿茂金うとぅちとぅぬむいがに(玉三郎)と、若い士族の男との恋物語を軸に、王国内の宗教対立などを描く。人間国宝の宮城能鳳のうほうらが指導にあたる。

 組踊の新作を幾つも書いた経験を持つ大城は、「歌舞伎と組踊のコラボレーション(合同制作)として、新時代の組踊の種をまくことになれば」と、沖縄の芸能振興に期待を込めた。

 玉三郎は「外国語のような沖縄の古語は難しいですが、できる限り組踊の基本に則して演じたい。古典となりうるような作品に」と語った。公演は沖縄でも3月15〜17日に行われ、古典の歌舞伎舞踊も上演する。(電)0570・07・9900。

新作の琉球舞踊に挑戦する坂東玉三郎(右)と、作者の大城立裕(国立劇場で)