舞妓さん 被災地の中学校に和楽器贈る

京都市上京区の花街・上七軒
かみしちけん
歌舞会は今月末、東日本大震災の被災地・宮城県山元町の町立山下中学校に、芸舞妓まいこらが募った義援金で買った小鼓、大鼓、締め太鼓、横笛の能管の4種8個の和楽器を届ける。授業で活用してもらうためで、舞妓のさと龍さん(18)は「邦楽の素晴らしさに触れ、笑顔になっていただけたらうれしおす」と話している。

 さと龍さんらは、今春の舞踊公演「北野をどり」の期間中、来場客に募金を呼び掛け、約80万円を集めた。

 昨年は被災地へ送金したが、今回は和楽器の寄贈を発案。宮城県から能楽を授業に取り入れている山下中を紹介された。沿岸にある山元町は、津波で町内の約4割が浸水し、600人以上が死亡・行方不明に。山下中の生徒4人も犠牲となり、約70人が今も仮設住宅や町外の避難先から通う。

 今月31日、山下中で開かれる贈呈式に、同会の中村泰子会長、さと龍さんらが出向く。昨秋も被災地を訪れたさと龍さんは、今回の訪問を前に「被災地の、特に若い皆さんに和楽器の音の良さを知ってもらいたいどす」と話している。

 山下中で音楽を担当する上西直樹教諭(39)は「伝統ある京都の花街からいただけるとは」と喜んでいる。


被災地への思いを話すさと龍さん

読売新聞より





宮城・被災中学校への和楽器 舞妓ら音色をチェック 京都

東日本大震災で生徒4人が亡くなった宮城県山元町の町立山下中学校に和楽器を贈る上七軒歌舞会(京都市上京区)が19日、発送する和楽器の音色をチェックした。

 今春行われた春公演「北野をどり」で来場客から集めた義援金約80万円を元に、教材用の締(しめ)太鼓と大鼓(おおつづみ)各2丁、小鼓3丁、能管1本、白扇子8本を購入。20日に山下中に発送し、31日に舞妓(まいこ)らが現地を訪れて目録を贈る。

 19日は舞妓の梅やえさん(21)、さと龍さん(18)、市知(いちとも)さん(17)が発送前の和楽器を手に取り、実際に鳴らして音を確認。3人は「ええ音が出るわあ」「伝統文化に触れて、みんな笑顔になってほしいどす」などと話していた。(小野木康雄)

産経新聞より