沼津西高 全国一の琴の音色、国立劇場で

高校文化部の祭典「全国高校総合文化祭」(高総文祭)の日本音楽部門で、沼津西高校(沼津市本、樋口和男校長)の箏曲部が最高賞の文部科学大臣賞に輝いた。39年の歴史を持ち、上位入賞の常連だが、全国制覇は初めて。26日には東京・国立劇場での優秀校公演に出演し、全国一の音色を響かせる。
 今年で36回目を迎えた高総文祭は、8〜12日に富山県で開かれた。射水市が会場となった日本音楽部門には都道府県の代表55校が出場。沼津西高は3章からなる琴の名曲「三つのエスキス」を奏でた。「静寂」から始まり、第3章のクライマックスに向けて「熱情の高まり」を表現していくスピード感ある難しい曲だ。
 「みんなが互いに信頼し合い、完成度の高い一つの音楽にできました」と部長の三枝真奈さん(3年)。33年間にわたって同部の指導に当たって来た講師の花田朝恵さんは「『弱音(じゃくおん)』など隅々にまで神経を使い、繊細な音を出す『西高の演奏』ができました」と言い、ここ十数年の静岡県全体のレベルアップの成果だと評価する。
 曲の練習は1年間に及び、夏休みに入ってからは毎日ほぼ一日中、琴と向き合った。部員は3学年合わせて23人。皆、高校入学後に初めて琴を始めたメンバーだという。「仲がよく、一体感があるいいチーム。皆が何にでも一生懸命に取り組むところが、いい結果につながったのかなと思います」と顧問の大島沙織教諭。
 国立劇場は高校文化部のあこがれの場。三枝さんは「高総文祭でできなかった部分を修正し、より完成度の高い演奏を披露したい」と話している。

東京・国立劇場での演奏に向け、
練習に励む沼津西高箏曲部のメンバーら=沼津市

朝日新聞デジタルより