民族楽器100点出前授業…兵庫

アジアやアフリカなどの民族楽器を小中学校で紹介している、元小学校音楽教諭・大原啓司さん(63)=姫路市西延末=が31日、南あわじ市立西淡志知小で出前授業を行った。

 1〜6年の52人は初めて見る数々の楽器に目を輝かせ、大原さんの演奏を聴いたり、実際に楽器を鳴らしたりした。(佐藤直子

 28歳で音楽教諭になった大原さんは、「音楽を通して子どもたちに、アジアやアフリカの文化に興味を持ってほしい」と、約30年間で各国の楽器を約300点収集し、授業で活用してきた。定年退職後の2008年4月からは、県内を中心に出前授業を行っている。

 この日は、アフガニスタンやインド、タイ、中国などの打楽器や弦楽器など約100点を持参し、3回に分けて授業を行った。

 3、4年生16人の回で大原さんは、楽器の由来や、国によって音階が異なることなどを実演しながら説明。数千年前に生まれたという、蛇遣いが吹く「ブーンギ」(インド)や「芦笙(ろしょう)」(中国)などの笛や、弦楽器の「ラバーブ」(アフガニスタン)などを順に演奏し、児童らは音色に聴き入った。

 大原さんと児童2人の即興演奏もあり、真ちゅう製の鐘「ジャンジャ」(インド)、小型のドラ「小羅(しょうら)」(タイ)、竹琴の「ラナート」(同)を軽快に鳴らした。この後、16人は好きな楽器を思い思いにたたいたり吹いたりし、〈異国の音色〉を楽しんでいた。

 3年森遼(はるか)さん(9)は「音楽の時間に習っている鍵盤ハーモニカなどの楽器とは全然違う音で、少し不思議な感じがしたけど楽しかった」と話していた。

(2012年2月1日 読売新聞)