「東北の楽器で支援を」津軽三味線の路上ライブ 福岡

 「東北の楽器」で被災地を支援したい――。福岡市在住の津軽三味線の師匠が、路上ライブを通じて東日本大震災義援金を募っている。珍しい和楽器の演奏ということもあり、多くの人が足を止め、寄付に協力している。11日であの日から3カ月になる。

 日曜午後、福岡市中央区大濠公園。三味線を持った男性2人とキーボードの女性1人が演奏を始めた。演目は「津軽じょんがら節」などの伝統的な曲から、アニメ「ルパン三世」のテーマ曲まで様々。小気味よい調べに、親子連れやジョギング中の人たちが立ち止まり聴き入る。演奏が終わると、地面に置かれた義援金箱に次々と募金が入れられた。福島市から避難して来たという女性(47)が、感極まった様子で3人に「ありがとう」と声をかけた。

 3人は「Motoki(モトキ)+(プラス)chikkaja(チッカーヤ)」。リーダー役のMotokiこと森永基木さん(37)は福岡市や佐賀県嬉野市の教室で三味線を教える師匠。嬉野市出身で、6歳から三味線を始め、小学校を卒業した12歳から大阪の京極流家元・京極利則さんの内弟子として6年間修業した。通常はホールなどで公演するが、「若い人にも和楽器の良さをもっと知ってほしい」と、1年ほど前から弟子の竹田欣弘(よしひろ)さん(36)とその妻のあや子さん(33)と3人で路上ライブを始めた。

 震災後は和楽器普及のためだけでなく、津軽三味線発祥の地、東北のためにと演奏時に支援を呼びかけている。CDの売り上げの一部も含め、集まった義援金日本赤十字社を通じ寄付する。今後も晴れた日の休日、大濠公園福博であい橋(福岡市博多区)などでライブをし、寄付を募るという。問い合わせはメール(fujimashuichirou@yahoo.co.jp)で。(岩本美帆)
asahi.comより