グラミー賞受賞作品参加の松山さんが凱旋コンサート

米音楽界で最高の栄誉とされるグラミー賞の受賞作品に参加した大阪狭山市出身の琴演奏家松山夕貴子さん=米ロサンゼルス=が21日、東日本大震災義援金を募る凱旋(がいせん)コンサートを同市狭山1丁目の市文化会館(SAYAKAホール)で開いた。
和洋の枠にとらわれない幅広い音楽活動を展開する松山さんは昨年、世界的なジャズサックス奏者、ポール・ウィンターさんのCDアルバム「ミホ ジャーニー・トゥー・ザ・マウンテン」の演奏に参加し、ソロナンバーなどを収録。今年2月に同アルバムがグラミー賞の最優秀ニュー・エイジ・アルバム賞を受賞した。

 居住地のロサンゼルスで東日本大震災を知り、「自分にできることを」と、この日のチャリティーコンサートにこぎ着けた。

 コンサートで松山さんは、「日本人はこんな大変なときでも秩序を乱さずすごい」と米国で評価され、「誇りに思った」ことを紹介。「距離を超えてみんなここにいる」との思いを込めたオリジナル曲「ビヨンド・ザ・スペース(空間を超えて)」を披露し、切なくも力強い調べを響かせた。

 グラミー賞受賞の凱旋コンサートも兼ねる形になり、兄でミュージシャンの織川ヒロタカさんと共演。両親への感謝の思いを乗せた楽曲を息の合った演奏で繰り広げる場面もあった。

 全5曲を披露。会場から惜しみない拍手が送られると、松山さんは「感謝の思いでいっぱい」と目に涙を浮かべながら語った。

大阪日日新聞