皇后さまの絹糸、箏と三味線で澄んだ音色に

皇后さまが育てられた蚕の絹糸を弦に使った箏(そう)と三味線による演奏会が25日、東京・千代田区紀尾井ホールで開かれ、約200人が絹弦の音色に聞き入った。

 和楽器の弦は従来、独特の澄んだ音色が出る絹糸が用いられていたが、切れやすく、近年は強度があり、値段も安い化学繊維が主流となっている。

 演奏会を企画した聖徳大の徳丸吉彦教授(74)の「和楽器に、もう一度、日本の絹弦を使いたい」という希望を知った皇后さまが、皇居内の御養蚕所で飼われている「小石丸」と「白繭(はっけん)種」の2種類の繭を徳丸教授の研究会に提供された。

 徳丸教授によると、御養蚕所の蚕は桑だけで飼育されているため、人工飼料を与えられている蚕の絹糸よりも丈夫だという。

読売新聞より