全国箏曲コンクール 別海出身の木村さんが最高賞

現代箏(そう)曲の祖とされる諸田賢順(けんじゅん)(1534〜1623年)を顕彰して福岡県久留米市で5日に開かれた第17回賢順記念くるめ全国箏曲コンクールで、根室管内別海町出身の演奏家木村麻耶さん(25)=東京都在住=が最高賞の賢順賞に輝いた。

 賢順は久留米の僧侶で、現代箏曲の源流と言われる筑紫箏(ごと)の創始者。コンクールは、久留米市や地元邦楽8件家らでつくる同箏曲祭振興会の主催で1994年から開かれ、若手の登竜門となっている。

 今年は全国から応募した62人中、予選を通過した25人が出場。木村さんは、桐朋学園芸術短大(東京)時代の恩師で箏演奏の第一人者野坂操壽(そうじゅ)さんが作曲した25弦箏曲津軽」で挑み、2008年に続く2度目の挑戦で最高賞を獲得した。

 木村さんは3歳から別海高を卒業する18歳まで釧路市内の箏教室に通って腕を磨いた。プロを目指して上京し、短大卒業後はアルバイトで生計を立てながら演奏活動を続けてきただけに「驚いて涙が出た。勉強を重ねて、人の心を動かせる演奏家になりたい」と話す。釧路時代の恩師橋本はるみさん(63)は「いつか1位を取ってくれると信じていた」と喜んでいる。

「釧路で学んだ箏が楽しかったから長年続けられた」
全国コンクールで最高賞に輝いた木村麻耶さん(木村さん提供)

北海道新聞12月8日朝刊掲載>