邦楽の良さ広めて20年 高槻の普及団体「えん」 17日に記念コン

邦楽の普及に取り組む非営利団体「えん」(伊藤和子代表、大阪府高槻市)が17日、高槻市高槻現代劇場で20周年記念コンサート「可畏(かしこ)」を開く。プロの邦楽家と地元の保育園児ら総勢75人が出演。子供たちに邦楽に親しんでもらいたいと、高校生以下は入場無料にしている。

 えんは、箏曲家(そうきょくか)でもある伊藤さんが「一人でも多くの人に邦楽の良さを知ってほしい」と、知人ら20人と昭和63年11月に設立。

 これまで約20年間、子供たちへのお箏体験教室から始まり、一般向けコンサート、大学の邦楽クラブの学生たちとつくりあげた「全国学生邦楽フェスティバル」、委嘱作品やCDの製作など300を超える企画を展開してきた。

 20周年記念コンサートは2部構成で、1部では高槻市の別所保育園で箏を習う5歳児20人が「さくらさくら」を演奏するほか、「文化庁・伝統文化お箏子供教室」で昨夏から練習を重ねている小学1年生から中学2年生までの有志と「えん箏の音を楽しむ会」の4歳から70歳までの有志が初舞台を踏む。

 2部は、箏・三弦の島田重弘さんや尺八の米村鈴笙さんら14人のプロの演奏家が東京、奈良、神戸、京都から流派を超えて結集。「八重衣」「尾上の松」など古典の名曲と「星降る谷間」など、えんのオリジナル曲を奏でる。

 「邦楽は日本の自然から生まれた音。生の演奏を聴いてもらえれば体にすっと入り、敷居の高さは消えるはず」と伊藤さんは話している。

 前売り一般2千円(当日2500円)、学生千円、高校生以下無料。申し込み、問い合わせは(電話とファクス072・683・6733)の伊藤さん。

【写真説明】熱心に練習するお箏教室の小中学生ら


産経関西より