東京新聞
長唄三味線方として多大な貢献をした故中島勝祐(かつすけ)を記念して設立された「中島勝祐創作賞」(日本伝統文化振興財団主催)の第四回受賞作品に、東音赤星喜康(とうおんあかほしよしやす)(55)作曲の「文京坂名所踊図(ぶんきょうのさかめいしょおどりえ)〜坂悠々(坂八景)〜」が選ばれた。
 同賞は邦楽の優れた創作曲が対象。長唄の作品が受賞するのは初めて。赤星は「中島先生とは一緒に仕事もし、多くのことを教えていただいた。それだけに受賞はうれしい」と喜びをかみしめている。
 今回は応募作品が過去最多の十四曲あり、京都市立芸術大学の久保田敏子名誉教授ら七人の審査委員の最高得点を集めたのが「文京坂名所踊図」。同曲は二〇〇九年に東京都文京区の日本舞踊普及会からの委嘱で作曲した。かずはじめ氏の詞には同区の坂や生活文化が織り込まれている。
 「古典をベースに新しいものを作ろうとして出来上がったのがこの作品。作曲は東京芸術大学時代から始め、これまで三十曲以上。これからも続けていきたい」と赤星。
 贈呈式と記念演奏会は七月七日午後六時から東京・三越劇場で開かれる。観覧希望者は日本伝統文化振興財団=ファクス03・3222・1118=へ。入場無料。