全邦連主催「作詞・作曲コンテスト」の賞金を被災地支援公演に

全邦連主催の「和楽器による作詞・作曲コンテスト」で一席をとられた大西直子さんからのメールを皆様に是非ご覧頂きたく掲載いたします。


和楽器による作詞・作曲コンテスト」でいただいた賞金を基に、じゃがいもと北海道小豆のお汁粉と私と箏はフェリーに乗り、2月25日〜27日まで、福島に行ってきました。仮設住宅など5ヵ所におじゃまして、いつもの学校公演のメンバーで演奏したり、じゃがいもを届けたり、お汁粉を作って食べていただいたりいたしました。
 福島の2月は思いの外寒く、ニュースで日々流れる情報が頭のなかで日常化していたのですね。「なんて厳しい災害だろう。そのうえの原発事故はなぜこの地に・・・」現実を見ると、言葉が無くなります。
 「六段の調べ」・・・会津桐で作られた私の箏が唄い出します。
 「うれしいひな祭り」・・・流されたお雛様のこと、お母さんからいただいた帯や着物がなくなって母に申し訳無い気持ち、保育園教諭だった女性からは、宝物だったが流されてしまったピアノの思いで等々、曲間の時間は皆さんの想いを、つぶやく時間になりました。
 「北風小僧の貫太郎」「宗谷岬」「風鈴」(第1回コンテスト一席受賞曲)など、皆さん涙と笑顔で聴いていただいた70分の音楽会。
 終えて感じたことは、それぞれの方に、朝な夕なに思い出や気持ちを受け止める人間の体温が必要な時期なのだということです。でも音楽は、そんな皆さんの心にしばしやさしく流れて、扉をあけてくれるのです。
 有名音楽家でなくとも役に立つことがあるのです。
しかし、この取り組みをどうやって続けていけるのでしょうか?どうやって1回こっきりのイベントにせずに重ねて行けるのでしょうか?そんなことを考えて眠れないフェリーのB寝台です。 大西なおこ

大西なおこさんのホームページはこちらhttp://koto-naoko.haru.gs/