県立洲本高(洲本市上物部)の邦楽部(松下采加部長、20人)が東電福島第1原発事故で避難を余儀なくされ、別の高校で間借り授業をしている福島県立原町高(同県南相馬市)の箏曲(そうきょく)部を励まそうと、義援金10万円とタペストリー(壁掛け)を送ることになり、24日、部員たちが一日も早い復興を願ってタペストリーに激励メッセージを書いた。【登口修】

 邦楽部は今年8月、福島県で開かれた全国高校総合文化祭に出場。部員から「被災地の高校を応援しよう」と意見が出された。福島第1原発から25キロ離れた緊急時避難準備区域内の原町高が5月から福島県相馬市の県立相馬高などに避難、間借り授業をしていることを知り、休部状態になっている同校箏曲部に義援金を送ることにした。

 邦楽部員が小遣いを出し合い、OBらにも呼びかけて10万円が集まった。被服部と美術部、書道部も邦楽部の取り組みに賛同。「被災地に笑顔を送りたい」と、今年7月の文化祭用に制作した「笑」の文字と手形をデザインした縦1・3メートル、横1・5メートルの帆布製のタペストリーも送ることが決まった。

 さらに、被服部が縦1・3メートル、横0・5メートルのタペストリー2枚を縫った。書道部が「絆」と「『繋(つな)』ぐ」の字を揮毫(きごう)、邦楽部が手形を押してデザインし、邦楽部員が「負けないで、みんなでがんばりましょう」「お琴の音色で日本を元気にしましょう」などのメッセージを書き込んだ。

 義援金タペストリーは、相馬高に間借りしていた生徒343人が本校に戻る26日、同校に届けられる。

 松下部長は「義援金を琴を買う費用の一部に充ててもらい、地域の人たちに心のこもった温かい演奏を聴かせてほしい」と話している。

〔毎日.jp 淡路版〕