高文祭もうすぐ 福島の生徒にプロの琴演奏者が手ほどき

福島県で開かれる全国高校総合文化祭(ふくしま総文、文化庁など主催、朝日新聞社など特別後援)で琴を演奏する県内4校の箏曲部が23日、合同練習に臨んだ。4校は開幕日の来月3日、県外参加校を歓迎する曲を演奏する。

 4校は、県代表として日本音楽部門に出場する小名浜(おなはま)高校(いわき市)など。生田流宮城社大師範の遠藤千晶さんらプロの演奏家2人のレッスンを受けた。学校によって流派が異なり、難しい合奏というが、本番を間近に控えて、21人が一つとなり優美な音色を響かせた。

 小名浜高は津波の被災地にある。部員2人が家を流され避難生活が続く。部活動は2カ月間停止し、地元代表として猛練習するはずの日々が奪われた。秋から難易度の高い複雑なリズムの曲に挑んでおり、「大丈夫だろうかという不安でいっぱいだった」と顧問の高野里枝(りえ)教諭(33)は話す。

 だが、「皆が困る中で互いを励まし合う雰囲気が部内に生まれた」と部長の品田朋恵さん(18)。琴はつまびく技量だけでなく、心身ともに正しく向き合う姿勢が演奏を左右するという。「地元の被災者も勇気づけられるような、しっかりした演奏をしたい」(渡辺康人)


緊張感のなか、仕上げの演奏練習をする生徒ら
23日、福島県いわき市の県立四倉高校、渡辺写す
asahi.comより