器用な手つき「糸とり」 長浜の工房で本格化

長浜市木之本町大音地区で、三味線など和楽器の弦の材料になる生糸を蚕の繭から紡ぐ「糸取り」の作業が本格化している。

 木之本町邦楽器原糸製造保存会(佃三恵子会長)によると、昭和の中頃までは同地区周辺で約70軒が行っていたが、化学繊維の普及で年々減少。今は2軒が残るだけになった。

 熱湯に浸して繭をほぐし、小さなほうきで糸を引っかけて20本ほどずつにまとめ、専用の装置で巻き取っていく。佃会長の工房では、地元の女性ら数人が器用な手つきで繭から糸をたぐっていた。作業は7月末まで行われる。


読売新聞より