舞妓三味線の稽古に熱

来月3日から 京おどりで初演奏

京都の花街・宮川町(東山区)の春の公演「第61回京おどり」(4月3日〜18日)で、舞妓(まいこ)らが舞台で初めて三味線を披露することになり、本番を控え、稽古(けいこ)に熱が入っている。

 花街の公演では通常、舞妓は舞踊を専門とする「立方(たちかた)」を務め、三味線や長唄などの演奏は「地方(じかた)」と呼ばれる芸妓が担っている。

 近年、花街では、地方が不足しており、同町歌舞会は、芸妓の見習いである舞妓の頃から、演奏の技術を磨いてもらおうと、今回、披露の機会を設けた。舞踊や邦楽を芸舞妓に教える同町の教育機関「東山女子学園」でも2年前、三味線を舞妓の必須科目にした。

 昨秋、「京おどり」作曲者で、長唄今藤流家元、四世今藤長十郎さんが約30人の舞妓全員を対象に、三味線のオーディションを実施。16人が4交代で舞台に上がることになった。京都の子どもたちに歌い継がれる曲を題材とした「舞妓の童唄(わらべうた)」で演奏をするため、数十回の稽古を積む。

 「京おどり」への出演は4回目になる舞妓のふく紘さん(19)は「舞台で弾くのは初めて。踊りに合わせるのが難しいですが、やりがいがあります」と張り切っており、今藤さんは「一生懸命に演奏する姿を見てほしい」と話している。


「京おどり」に向け、三味線を稽古する舞妓ら(東山区で)

読売新聞より