(中日新聞)

長浜市木之本町大音の「佃平七(つくだへいしち)糸とり工房」で十六日、蚕の繭から糸を紡ぐ「糸取り」が始まった。作業は七月末まで続き、できあがった糸は地元の和楽器製造会社に出荷する。

 梅雨の時期特有の作業で、この日は女性四人が担当。二十個以上の繭玉を湯でほぐし「座繰機(ざぐりき)」を使って手際よく糸に仕上げた。

 工房四代目の佃三恵子さん(63)は「今年の繭は質感が良く、いい音が出そう」と話していた。

 町内では江戸時代から三味線や琴などの弦に用いる糸を生産。近年はナイロン弦に押され一軒のみとなっている。