芸者になってみませんか 新人育成に静岡・下田市が予算

静岡県下田市が、新人芸者3人の募集・育成に523万円の予算をつけた。地元を舞台とした幕末悲話が題材の舞踊「唐人お吉(きち)」など、伝統芸能を絶やすまいと、国の雇用創出事業を活用し、給与半年分を助成する。14日に開会した市議会に予算案を提出した。

 下田では、「唐人お吉」や舟歌「下田節」を芸者が演じ継いできた。芸者に稽古をつけ紹介する検番で市内に唯一残る「叶家」の代表、柏谷ツヤ子さんによると、30年ほど前までは4軒の検番があり、約200人の芸者がいた。それが今は、わずかに5人だけだ。

 下田ならではの芸能が絶えかねないと危惧した市は、国の「重点分野雇用創造事業」を活用することにした。業務を委託された市民団体が、ハローワークを通じて新人芸者3人を募集。10月から半年間雇い、踊りや長唄、三味線の稽古をつけ、来年3月の「お吉祭り」で披露する計画だ。